歌集

学生歌「松原に」

秋山喜文 作詞
山田尚慶 作曲

一、
嵐雲 地にこめて
矢の疾風 頬打つも
防塁に 火は燃えて
誇らかに 自由を守る

二、
唇も 朽ちはてて
黒き蛾は 群れ舞うも
梅におう 学舎に
翳なき 知性を磨く

三、
日は高く 松原に
湧き上がる宴うた
若者の瞳は澄みて
譲るなき 情熱を焚く

九州大学応援歌「見よ紺碧に」

甲斐尚夫 作詞
藤丸修 作曲

一、
見よ紺碧の海原に
鍛えし腕 陽に映えて
闘志は燃ゆる 今ここに
立て 九大の健男児

二、
見よ青松の朝嵐
守りし塁 敵ぞなき
血潮は踊る 今ここに
立て 九大の健男児

三、
聞け栄光の勝鬨を
千代松原に こだまして
苦節はここに 幾星霜
立て 九大の健男児

第二応援歌「玄海の浪」

井上瑞貴 作詞 作曲   

一、
玄海の浪は 白く荒れて
烈風は抗たる 若人の胸に
堅く手を組みて 自由を求めん
我ら我らは 九州男児
見よ鎮まりぬ 紺碧の海

二、
筑紫の原は 緑に映えて
陽光は照らす 若人の夢を
堅く手を取りて 絆を保たん
我ら我らは 九州男児
見よ輝きぬ 深紅の夕陽

三、
箱崎の空は 蒼く澄みて
微風は揺する 若人の鬢を
高く手を掲げ 明日を築かん
我ら我らは 九州男児
見よ翻る 紫の校旗

旧制福岡高等学校
田島寮応援歌「ああ玄海」

権 藤茂 作詞
不詳   作曲   

一、
ああ玄海の波の華
銀蛇の舞に似たるかな
今神風に旗高く
幕邪の剣手に執れば
金鼓奮いて蓋世の
勇士は迫る敵の陣

二、
輿望は重し丈夫の
颶風の翼身に借りて
征塵高く蹴たつるを
防ぎ止むる者あらば
天地貫く自治の気に
征衣の露と打ち払え

三、
戦わんかな時到る
ああ勝たんかな時来る
天の暦数指顧の中
見よ九天の雲晴れて
虹は色濃き筑紫潟
凱歌はこもる梅の花

応援小唄

 

三浦信也 作詞 作曲   

一、
怒れる潮に魅せられて
やってきました筑前に
九州男児の心意気
見せてやりたやお袋に

二、
空飛ぶ小鳥も良いけれど
いっそなりたや大鳳に
夢も羽ばたく南国の
紫雲たなびく大空に

三、
沈む夕日に目を閉じて
  思う砕けた夢の数
  心で泣いた日もあれど
涙は決して見せなんだ

四、
緑目をさす松原に
咲いた可愛いお嬢さん
  摘んでゆきたやこの胸に
松葉も風に恋してる

五、
胸のバッチが良く似合う
学生服の伊達男
夜空に押忍と叫んだら
月もにっこり笑ってた

六、
パープルスカイの旗印
三つの誓いに集い来て
若き情熱かけた友
語り合うのはいつの日か

逍遥歌

 

三浦信也 作詞 作曲   

一、
紫匂う筑紫野に
若き生命の息吹あり
知勇溢れる団結の
道は茨棘の道なれど
熱き血潮の益荒男の
闘魂今やたぎるなり

二、
荒波寄する玄海に
応援団児の声を聞く
慈愛ぞ人の命なれ
誠の愛に生きたなら
我等一たび死なん時
世に憎しみの残るなし

三、
乱雲はるか空澄みて
応援団児は天翔ける
消え入る風情の世にありて
古き教えを愛さんと
鼓動妙なる旋律の
谺す我らの押忍を聞け(押忍三回)

四、
眠れる如き野の果てに
応援男児は萌え出ずる
朔風吹きて月寒く
斑鳩なげき歌うとも
君が褥の裾の端に
覇者の姿を夢に見ん

五、
巷に雨の降る如く
応援団児に涙降る
このわびしさは何やらん
故なき故の侘しさか
栄光の舞は舞わずとも
聳ゆる心の金字塔
聳ゆる心の金字塔

元寇

一、
四百余州をこぞる 十万余騎の敵
国難ここにみる 弘安四年夏の頃
何ぞ恐れん我に 九州男児あり
正義武断の銘 一喝して世に示す

二、
多々良海辺の海夷 そは何蒙古勢
傲慢無礼者 倶に天を戴かず
出でや勧みて忠義に 鍛えし我が腕
ここぞ国の為 日本刀を試しみん

三、
心筑紫の海に 波押し分けて行く
武士猛夫の身 寇を伐ち帰らずば
死して護国の鬼と 誓いし筥崎の
神ぞ知ろしめす 大和魂いさぎよし

四、
天は怒りて海は 逆巻く大波に
国に仇をなす 十万余の蒙古勢は
海の藻屑と消えて 残るはただ三人
いつしか雲晴れて 玄界灘月清し

若い力

一、
若い力と感激に
燃えよ若人胸を張れ
歓喜あふれるユニホーム
肩にひとひら花が散る
花も輝け希望に満ちて
競え青春強き者

二、
瞳明るいスポーツマン
僕の喜び君のもの
上がる凱歌に虹が立つ
情け身にしむ熱こそ命
競え青春強き者

博多ドンタク節

一、
ぼんち可愛やねんねしな
品川女郎衆は十匁
十匁の鉄砲玉
玉屋がお可愛いスッポンポン

二、
一度は気休め二度は嘘
三度のよもやに引かされて
浮気男の常として
女房にするとはシャレかいな

三、
もしもし床屋さん
髪をハイカラに刈っとくれ
後ろ短く前長く
なるたけベッピンさんが好くように

四、
もしもし車屋さん
ここから停車場はなんぼで
大勉強で十五銭
三銭まけとけ負け解けアカチョベ

五、
三味の音締めや笛太鼓
しゃくしたたいて浮かれ出す
かぶっておかしき仁和加面
どんたくばやしのにぎやかさ

六、
浮かれどんたく春の宵
柳並木の那珂川に
想うお方とたたずめば
月もおぼろに顔かくす

筑前馬子唄

麻生 明 作詞 作曲

一、
背振山越え 若杉越えて
手綱取り取り 今年も暮れぬ
のんしゃい のんしゃい
はよ のんしゃい

二、
あの子 二十才で お嫁にいった
おらの栗毛の 背中で泣いて
のんしゃい のんしゃい
はよ のんしゃい

三、
男意気なら 博多の育ち
なんで涙が こぼされましょうか
のんしゃい のんしゃい
はよ のんしゃい

四、
とんびよく聞け おいらの夢を
筑紫次郎と 兄弟の契り
のんしゃい のんしゃい
はよ のんしゃい

九大節

一、
ここは九州の 博多の町よ
博多の町なら 大学は九大

二、
九州大学の 学生さんは
度胸一つの 男伊達

三、
度胸一つで 博多の町を
歩いて行きます 紋付袴

四、
紋付袴は 九大の育ち
ぼろが我らの 旗印

五、
ぼろは纏えど 心は錦
どんなものにも 恐れはせぬ

六、
どんなものにも 恐れはせぬが
可愛いあの子にゃ かなわない

七、
可愛いあの子は いつでも捨てる
母校のためなら 命までも

八、
命捨てても その名は残る
大学九大の その名は残る
おまけに応援団の その名は残る

田島寮逍遥歌

一、
ああ青嶺に 雲湧きて
遊子が狼煙 焚くところ
古城のほとり 明け暮れば
紅もゆる 紅もゆる筑紫潟

二、
泡はい寄する 玄海の
潮鳴り響く 桃源に
雁が音渡り 行くものを
流転の歴史 流転の歴史思わずや

三、
狂乱の民 夢破れ
世の混迷に 迷うとき
更に光を慕うかな
愛の印ぞ 愛の印ぞ自治の国

四、
伝えも古き南欧の
アセンの森をさながらに
丘に集える若き日の
誠の夢を 誠の夢を忘れじな

応援ブルース

一、
この道一途のこの俺は
人の指図は受けはせぬ
バカな奴だと思っても
それがおいらの応援ブルース

二、
俺の生まれたこの海を
度胸一つで漕ぎ出した
この世に生まれた証のために
それがおいらの応援ブルース

三、
こうと決めてもままならぬ
所詮はつらいこの渡世
実らず咲かずの花なれど
枯れはしないぜ応援ブルース

四、
意地と度胸とど根性
ドンと行(ゆ)きます大太鼓
博多の街に鳴り響く
それがおいらの応援ブルース

五、
貴方の行(ゆ)くとこ何処までも
どうか私を連れてって
可愛いあの娘が歌ってた
男泣せの応援ブルース